第1話:英語会議のある日が憂うつだった—50代で突然「英語の現場」に放り込まれた日々

3-1:管理職からの降格。突然の異動と「英語が必要な仕事」

6年前、私は会社の本社で管理職を務めていました。しかし、組織変更の流れの中で、突然別部署への異動が決まりました。事実上の降格でしたが、それよりも驚いたのは、新しい部署では 英語を使う場面が日常的に出てくる という点でした。

新しい業務は、グローバルサプライヤーとの調達契約。海外のメンバーと案件を進めるため、毎週英語でオンライン会議が行われます。
私はTOEIC LRを続けており多少の自信はありましたが、「その場で英語を瞬時に話す力」は全く別問題でした。

50代になってから突然「英語を使う仕事」が降ってくる。その現実は想像以上に重たいものでした。

しかし当時の私は、まだこの厳しさの本当の意味を理解できていませんでした。


3-2:毎週の英語会議がストレスだった理由

英語会議は毎週決まった時間にやってきます。
その前日になると、胸の奥に重い石が乗るような感覚がありました。

理由は明確でした。

  • 英語がすぐに口から出てこない

  • 外国人同僚は早口で話し、遠慮がない

  • 質問されても即答できない

  • 会議を止めてしまうのが怖い

  • 何を求められているのか理解しきれない

特に海外の同僚の中には、こちらの状況をあまり気にせず、トップスピードの英語で議論を進める人もいました。内容だけでなく、会議の空気感にも常に圧倒されていました。

「会議の時間が近づいてくるだけで胃が痛くなる」

そんな日が続き、英語会議は 仕事というより“試練の時間” のように感じていました。


3-3:文化の違いが引き起こす“板挟み”と誤解

さらに厄介だったのが、文化の違いによる板挟みでした。

海外のメンバーはトップダウンで物事を決め、スピード重視で進めます。
一方、日本の社内はボトムアップで丁寧に合意形成していく文化です。

この差は驚くほど大きく、調整役の私は常に両者の間で揺れていました。

  • 海外からは「なぜそんなに時間がかかるんだ?」

  • 日本側からは「本社のペースが速すぎる。もっと説明してほしい」

どちらも正しい。しかし、どちらにとっても私は“都合の悪い存在”に見えてしまう。
英語の理解以前に、物事の捉え方・価値観が違う人々の間に立つ精神的ストレスが非常に大きかったのです。

会議中、日本人からの視線も気になり、外国人の強い意見にも胃が縮む。
毎週つづくこの状況は、いつしか私の自信を大きく削っていきました。


3-4:この状況をなんとか変えたいと思ったきっかけ

そんな環境で働くうちに、私はあることに気づきました。

「このままでは、英語の問題だけでなく、自分のキャリアそのものが止まってしまう」

50代で迎えた降格、突然の英語業務、毎週のストレス。
ただ耐えるだけの働き方は、もう限界が近いと感じるようになっていきました。

同時に、グローバルの場で戦う同僚たちを見て、
自分も英語を使いこなし、自分の言葉で意見を伝えたい
という思いも強くなっていきました。

そして私は、
「この状況を変えるために、もう一段深い英語力を身につけなければならない」
と心から思うようになります。

 

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